社員の意識も受け入れ体制も変化 会社の風土として浸透したルミネの障がい者雇用
株式会社たきコーポレーション
約400名が在籍する国内最大級規模のデザインエージェンシー。デザインを主力に、広告制作プロダクションの大手として高いクリエイティビティを発揮し、広告デザイン業界をリードする。ブランディング、CI/VI・アプリケーション開発、UI/UX開発、パッケージデザイン、プロモーション、グラフィック、Webサイト、映像・動画、インタラクティブコンテンツ開発など、さまざまなクリエイティブワークを通して、あらゆるコミュニケーションの企画・制作業務を手掛ける。
たきコーポーレーションが障がい者雇用に本格的に取り組み始めたのは、グループ会社の統合がきっかけでした。社員数が大幅に増加し、その分障がい者雇用の法定雇用数も増えたことにより、新規採用が必要な状況に。「ただ、当時は合併に関わるほかの業務で手一杯というのが正直なところでした」と人事担当者のNさん。具体的なアクションができないまま1年が過ぎると、いよいよ緊急で取り組まなくてはならない事態に追い込まれたのです。
「当時は、障がい者雇用に関連するDMや営業の連絡も頻繁にありましたが、いくら切羽詰まっていても単に人数を満たせばいいという施策は求めていませんでした。雇用するからには自社で長く勤めてほしいと思っていたとき、過去にEachの川上さんからサービスについてお話しを聞いたことがあり、私たちが求めているご提案をいただけるのではとコンタクトを取りました」
Eachはまず、社内に向けて勉強会を行いました。「私たちと同様、当時は社内においても障がい者雇用への理解が進んでいませんでした。障がい者雇用とは何か、会社が今どんな課題に直面しているかを専門家の視点から説得力のある言葉で説明してくれました」と話すのは、人事役員の小林さん。
これによって起きたのは、社内の意識の変化。勉強会のあと、社員の2名から自身が障がい者手帳をもらえる可能性があることを教えてくれ、手帳の申請を行い認定されました。「既存社員が、会社が困っているならばと手帳取得に協力してくれたことは、私たちの活動を大きく前進させた最初の出来事でした」
人事部、経理部、校正部、マーケティング部。たきコーポレーションでは、現在これだけ多岐にわたる部署で、障がいのある人が働いています。「オフィス見学、職場体験実習、採用面接、その後の定着面談と障がい者雇用のスタンダードについてその都度Eachの川上さんからアドバイスをいただきながら進めました」と人事のNさん。
校正職が未経験の方を採用する際には、会社がその費用を負担し校正の専門学校に通ってもらった例もあります。「ゼロから教えるのは上司や部署の同僚に負担になってしまいます。半年間、校正の専門学校に通ってもらい基礎的な知識やスキルを身につけたうえで業務にあたってもらおうと考えました」と人事役員の小林さん。続けて「通学中に、この仕事は合わないとご本人が退職してしまう可能性も覚悟のうえでしたが、結果的に自ら進んで検定試験までも受け、無事に合格されて今は校正部で活躍してくれています」と語ります。
「働く前とまるで顔つきが違う!」。これは、ある支援機関のスタッフが事業所で数か月ぶりに障がいのある人と会ったときの第一声だそう。「たきさんのところで働いているあの人みたいになりたい」という声も出ているほど。
「こんな風に育てるという意識で採用してくれるのは、その人が通所した福祉事業所の方にとっても心強く、うれしいことだと思います。就労後に行う月に1度の面談に、人事の社員が毎回同席するのも、障がい者本人にとってはもちろんのこと、受け入れた部署の方にとっても心強いだろうと思いますね」(Each川上)
障がい者といっても得意や苦手の特性もさまざま。休憩時間の好みの過ごし方も異なります。ランチの時間はひとりで社内のお気に入りのカウンター席でゆっくり過ごしたいという人もいれば、仕事相手のことをよく知った方が安心して業務を行えるからといろいろな人とランチに行きたい人も。人事のNさんは、先日もそんなリクエストを受けて他部署の方とのランチ会を開いたばかり。こういった普段の接し方も、なにかあったときにすぐに相談できるような土台になっているのでしょう。障がい者雇用において、高い定着率を実現できているのも、地道でていねいな活動の成果だと言えます。
現在の課題は、「デザイナー業での採用」だと人事担当の小林さん。「私たちの会社の業務の主軸であるデザイナー業での採用を行うことは常に念頭にあり、川上さんにも相談していました。美術大学やデザイン関係の専門学校の新卒生で障がいのある人の就活状況など、私たちだけでは把握できない情報もEachさんに共有してもらい、採用に取り組んでいます」
就活生のなかには、手帳未取得ではあるものの障がいを抱えていたり、障がいが原因で就活に苦戦を強いられたりといった状況が少なからずあります。たきコーポレーションで重視しているのは、あくまでその人のクリエイティビティ。その方のポートフォリオが会社の求めているレベルに達してれば、デザイナーとして育成していきたいとのこと。デザイナー職において、健常者と障がい者で給与などの待遇に差はありません。
「新卒にフォーカスしているのも、人を育てるというたきさんの一貫した姿勢があるからこそ出てきたチャレンジです。Eachとしてもその思いがいちばんいい形で実るよう、あらゆるアイディアを出して実現のために動きます」(Each川上)。
また、新卒採用に向けては、すでに人事部で働いている障がいがある人から「障害者職業生活相談員」の資格を取り、新卒者や受け入れる側のサポートをしたいと発信がありました。Eachはもちろん、人事担当者一同この動きをとてもうれしいことだと感じているのだそう。
「障がいがある人の働き方については、自身が当事者だからこそわかることもあり、私たちがアドバイスをもらうこともあります。新卒の方も、自分と同じ障がい者手帳を持つ方が入社後サポートしてくれるのは、心を開きやすかったり安心感もあるのではないでしょうか。何より本人が、Eachの川上さんと一緒に相談役を担っていくプランをとても生き生きと語ってくれるので、資格の受講も会社でサポートすることを決めました。こういった良い循環や連鎖が今後も生まれるよう、活動を続けていきます」
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